2010年6月29日火曜日

■ パーフェクトリー ロンリー

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旅人は足をとめて振り返った
後方には砂塵でけむった歩いてきた道が長く真っ直ぐ続いていた
こんなに遠くまでやってきたのか
埃にまみれた足元
踵の減ったスニーカー

誰かが言った

彷徨うことが旅であり
目的地を目指すのは旅行なのだと

「可愛い子には旅をさせろ」か

道端に腰掛け、タバコに火をつけた
長くなる灰を凝視していたが、そこに焦点は合っていなかった
強烈な孤独の中で、豊かな想い出が昨日のことのようによみがえり、
彼の頭の中を満たした

「大衆の中の孤独」ということばもある
人に囲まれていればいるほど孤独を感じるという心理

孤独と寂しさは別物なのだろう
ひとりでいるときは寂しさを感じない

孤独感って、みんなどういうときに感じるのだろうか
女と別れ話をしたあとだろうか

長くなった灰がぽろっと落ちたのをきっかけに
タバコを携帯灰皿に押しこんで腰を上げた





カッティングの息が絶妙で、歪も微妙
こういうの、なかなか難しい


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